横浜市 よこはま乳がん

乳がん治療を受けるにあたって
知っておきたいこと

遺伝について

乳がんをはじめ、がんは様々な要因で起きる遺伝子変異の蓄積で発生します。要因には、生活習慣など後天的な要素である環境要因と、親から子へ引き継がれる遺伝子の変異があります。ここでは乳がんと遺伝についてお伝えします。

家族歴と乳がんリスクについて

様々な要因で起きる遺伝子変異の蓄積は、環境要因(アルコール、たばこ、食事などの生活習慣)や遺伝要因(親から子へ引き継がれる遺伝子の変異)があります。親から子へ引き継がれる遺伝性のがんの可能性を予測するときに、ご自身や血縁者のがん発症状況が参考になることがあります。
家系ごとに血縁者の構成は異なります。ご自身の家系の構成や、がんになった方がいる場合にはがんの種類や年齢の目安がわかると、遺伝の可能性を予測する際に役立ちます。

疫学的に、近親者に乳がんの方がいらっしゃる方(家族歴を有する方)は、いらっしゃらない方と比べて乳がんになりやすいと言われています。次項で述べる遺伝学的検査で特定の遺伝子変異がないことが分かった場合でも、家族歴を有する方は乳がんの発症リスクは高いことになります。

遺伝性乳がん卵巣がん症候群とは

親子で引き継がれる遺伝子の変異により発生する乳がんを遺伝性乳がんと言います。遺伝性乳がんをおこす遺伝子はさまざまなものが知られていますが、なかでもBRCA1またはBRCA2遺伝子に変異があることで発症するものが有名で、遺伝性乳がん卵巣癌症候群(HBOC)と言います。BRCA1またはBRCA2に変異があると、反対側にも乳がんが発生しやすかったり、同じ側に別の乳がんが発生しやすかったり、卵巣がんや前立腺がん、男性の乳がんなどが発生しやすかったりすることが報告されています。

BRCA遺伝学的検査について

乳がんの診断がついた方で、条件を満たす方は保険診療でBRCA遺伝学的検査を受けられます。条件については担当医にお尋ねください。検査は採血で結果が出るまで2、3週間程度かかります。BRCA1またはBRCA2遺伝子に変異があることが分かった方は、造影MRIによる対側乳房の乳がんチェック(サーベイランス)やリスク低減対側乳房切除、卵管卵巣切除が保険診療で受けられることになります。
遺伝情報を扱う検査であるため、家系全体に影響があります。メリットデメリットをご理解頂いた上で検査を行います。遺伝カウンセリング(後述)後に検査を行うことが多いです。

なお、ご自身が乳がんを発症していない、または条件を満たしていない方は保険診療でBRCA遺伝学的検査を行うことはできません。

詳細は担当医にご相談ください。

遺伝カウンセリングと病院連携について

遺伝は、ご自身のみならず家系全体に影響があることです。そのため遺伝子検査前に、遺伝カウンセラーや専門医によるカウンセリングを受けていただくことが多いです。家族歴の聴取、HBOCについての説明、検査のメリットデメリット、結果の解釈、検査後の対応についてなどお話しがあります。疾患や条件によっては自費でのカウンセリング受診となります。

また、横浜市では、乳がん連携病院の取組として、遺伝カウンセリングの連携も行っています。おかかりの病院でカウンセリングを受けられない場合でも実施している病院で遺伝カウンセリングを受けることができます。

詳しくは担当医にお尋ねください。

横浜市乳がん連携病院

遺伝的検査が陽性だったときに予防的摘出手術ができる市内の病院

乳がんの診断がついた方で、BRCA遺伝学的検査を受けBRCA1またはBRCA2遺伝子に変異があることが分かった方は、リスク低減対側乳房切除、卵管卵巣切除が保険診療で受けられることになります。横浜市内の病院で予防的切除手術ができる病院は下記の表のとおりです。

  神奈川県立
がんセンター
横浜市立大学
附属病院
横浜市立大学
附属市民総合
医療センター
横浜労災病院 横浜市
南部病院
けいゆう病院 昭和大学
藤が丘病院
昭和大学
横浜市
北部病院
乳房  
卵巣卵管