抗がん剤の主な副作用には、吐き気・嘔吐や脱毛、骨髄抑制などがありますが、期間中ずっとつらいわけではなく、それぞれの副作用がでやすい時期があります。
副作用は、がん細胞だけでなく、正常な細胞も攻撃した結果起こります。使用する薬剤や患者さんによって、副作用の程度は異なります。副作用自体は効果のバロメーターにはなりません(副作用がないから、抗がん剤の効果がないわけではありません)。
アピアランスケア(外見の変化への対策)は「アピアランスケアについて」をご参照ください。
吐き気・嘔吐:抗がん剤投与直後(急性嘔吐)や数日間(遅発性嘔吐)起こったりします。様々な制吐剤がありますので、無理に我慢せず、医療スタッフに相談しましょう。
悪心・嘔吐の分類
- 急性悪心・嘔吐(acute emesis)
- ◆投与後24時間以内(投与後数分から数時間)に発現遅発性
- 遅発性悪心・嘔吐(delayed emesis)
- ◆投与後24~48時間頃より発現
◆1~7日ほど症状は続く
- 予測性悪心・嘔吐(anticipatory emesis)
- ◆前回の抗がん剤投与時にコントロール不十分であった場合、次の投与時より発現。初回でも不安が強い場合に発現することがある。
骨髄抑制:抗がん剤の影響により骨髄の働きが抑えられ、血液の中の白血球、赤血球、血小板が低下します。その結果、感染しやすい状態、貧血症状、出血しやすくなることがあります。白血球減少(特に好中球減少)は抗がん剤の種類にもよりますが、抗がん剤投与から7~14日後付近で最も低下します。好中球の数を増やす薬を併用することもあります。
引用:2021年 Patient Navigator 養成講座資料(薬物療法に対するケア:講師 縄田修一)