横浜市 よこはま乳がん

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手術後の生活の注意点

退院する時には、ほとんど身の回りのことはできるようになっていますが、無理をせずに徐々に体の調子を戻していきましょう。食事や運動、睡眠などの生活習慣に気をつけ、健康的な生活を心がけましょう。

手術後の傷について

退院する頃には、手術の傷はシャワーで濡らしても大丈夫な状態になっています。リンパ液を体の外に出すために入れた管(ドレーン)が抜けた跡や、傷の周囲は時間経過とともに赤みや腫れが引いていきます。傷からガーゼや絆創膏に少しつくくらいの液が出てきても問題はありません。その場合は服が汚れないようにガーゼで覆って下さい。ただし、真っ赤に腫れあがってきた、高熱が出る、膿が出てくるなどの症状がありましたら、傷が感染している可能性があるので病院に連絡してください。

また、術後の傷についてはできるだけ退院するまでに見ておくようにするとよいでしょう。難しい場合は、無理せずご自身のタイミングで構いません。事前に医師から説明を受けていても、実際に初めて見るときには緊張したり不安になったりされる方も多いです。看護師がそばにいることにより安心につながる場合もありますので、遠慮なく病棟や外来の看護師に声をかけてみてください。手術後の下着や外見の変化については「アピアランスケアについて 」もご参照ください。

手術後の生活や仕事、運動について

退院後、絶対安静のような行動の制限はありません。乳房再建の方法によっては、腕の運動制限が伴うことがありますので担当医にご確認ください。一般的には退院後、身の回りのことを行うことがリハビリにつながります。生活に自信がつけば、仕事の再開を検討してよいでしょう。いつから仕事をしてよいという明確な制限はありませんが、術後2~4週で徐々に職場復帰される方が多いです。仕事の種類によっても変わりますので、職場と相談することも大切です。診断書が必要かどうか確認をしておきましょう。

手術をした側の肩を動かす練習(リハビリ)は術後1週間くらいたったら積極的に行っても構いません。もともと運動をされていた方は、突っ張り感や痛みを伴うときには無理をせず、徐々に負荷をあげて、できる範囲を広げていくと良いでしょう。薬物療法や放射線治療中も、疲れすぎない程度の適度な運動は行っても構いませんが、放射線治療中はプールの塩素が皮膚の刺激になるため、プールでの運動は避けたほうがよいでしょう。入浴の再開や公衆浴場の利用は、傷の治り具合によって変わります。

手術後の生活に見通しを持つことは大切ですので、細かいことでも気になることは担当医や看護師に相談するようにしましょう。

手術側の腕からの採血や点滴・リンパ浮腫のリスクについて

乳がんの手術で脇の下のリンパ節を取り除くリンパ節郭清を受けた方は、リンパの流れが悪くなることで腕がむくむ「リンパ浮腫」が起きることがあります。術後早期からの適度な運動は、リンパ浮腫の予防・治療につながり、さらに 肩関節 拘縮(こうしゅく) (硬くなってしまうこと)の予防にもつながります。一方で、肥満、傷や虫刺されからの感染はリンパ浮腫を発症するリスクが高くなるとされています。

かつては、手術した側の腕からの採血、血圧測定、点滴などはよくないとされていましたが、近年それらとリンパ浮腫発症リスクとは関係がないとする報告も多くみられ、さほど神経質になる必要はないと思われます。特に、センチネルリンパ節生検(詳しくは「乳がんの手術について」)の場合は、過度な生活上の制限は不要です。ただし、個々の患者さんごとにリンパ浮腫発症のリスクが異なりますので注意が必要です。心配なことがあれば、担当医に相談するようにしましょう。