横浜市 よこはま乳がん

これから乳腺外科を受診する方へ

乳がんの疫学

乳がんは、日本人女性が罹患する悪性腫瘍の中で最も多い疾患です。乳がんにかかりやすい年代、乳がんの種類を解説します。

どんな人におこりやすいか

乳がんは、日本人女性が罹患する悪性腫瘍の中で最も多く、生涯で9人に一人の女性が経験するといわれています。また40代から60代の、比較的若い世代がかかりやすいことも特徴です。

新たに乳がんと診断された方で、家族に乳がんの経験者がいない方が、8割近くを占めています。長年の偏った食生活や過度のアルコール摂取及び運動不足、喫煙などの生活習慣・環境因子が影響していると考えられています(詳しくは患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023 年版「乳がんの原因と予防について」 をご覧ください)。

特定の遺伝子変異による乳がんは全体の5%前後と報告されています。遺伝について心配のある方は「遺伝について」もご参照ください。


年齢階級罹患(女性)2013

乳がんについて

乳がんの症状はしこり、皮膚や乳頭(乳首のこと)の引きつれや色の変化、乳頭からの血性分泌(乳頭から血のような汁が出ること)などが挙げられます。マンモグラフィ検査で腫瘤(しゅりゅう) や石灰化を指摘される場合、上記症状を伴わないこともあります。乳房の痛みをともなうことは少ないといわれています。

乳がんは乳管の内側の壁(乳管上皮)から発生し、乳管の中にとどまる 非浸潤(ひしんじゅん) がんと、乳管の外へ広がる浸潤しんじゅんがんに分けられます。

非浸潤がんは、乳管の中だけで増えて広がってゆく“浅いがん”であり、理論的には転移(他の臓器への広がり)は起こりません。針生検はりせいけんで非浸潤がんと診断された方でも、手術で摘出した検体のなかに10~50%の頻度で浸潤がんが見つかることがあります。非浸潤がんは乳がん全体の15%程度とされています。

浸潤がんは乳管の壁をやぶり、しこりを作ったものです。がん細胞が乳管の外にある血管やリンパ管に入り込み、転移をする可能性があるため、多くの場合、手術の前後に再発予防の薬物療法を行います。

図:非浸潤がん/浸潤がん

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