横浜市 よこはま乳がん

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転移・再発乳がんについて

遠隔転移再発の場合は、がんの治癒 (ちゆ)を目指すのではなく、がんの進行を抑えたり症状を和らげたりしてQOL(生活の質)を保ちながら、がんと共存するための治療を行います。

再発治療のコンセプト

「再発」は、目にみえないがん細胞が、乳がんになった最初の時点から微小転移としてからだのどこかに潜んでいて、初期治療などもくぐり抜けて手術を受けた後に出てくることです。

手術をした側の乳房やその周囲の皮膚やリンパ節に起こるものを「局所再発」といい、骨や肺などの乳房から離れた場所に発生する場合を「転移」あるいは「遠隔転移」といいます。局所再発のみで遠隔転移のない場合は、治癒を目指して治療します。遠隔転移再発がみつかった場合、画像でみえている場所以外のどこかにもがん細胞が潜んでいると考えられ、最新の医療技術や薬剤でも全身に潜むすべてのがん細胞を根絶するのは難しいのが現状です。通常手術をすることはなく、体全体に効果がある薬物療法(全身治療)が主体となります。症状や病巣の広がりなどを考え、がんの進行を抑えたり、症状が出てこない(もしくは症状を減らす)ことを目指した治療を継続的に行っていきます。

下の図は再発治療の流れを示したものです。再発治療には様々な選択肢があることに加え、新しい治療薬や治療法の登場により日々進化しています。このため、担当医の先生と相談しながら、治療法を決めていくことが大切です。

再発・転移治療の大まかな流れ

サブタイプ 薬物療法(全身治療) *使用薬剤の選択や順番は担当医と相談
ホルモン+HER2- ホルモン療法/分子標的治療薬(CDK4/6阻害薬、PARP阻害薬)/抗がん剤
ホルモン+HER2+ 抗HER2薬+抗がん剤、ホルモン療法
ホルモン-HER2+ 抗HER2薬+抗がん剤
ホルモン-HER2- 抗がん剤/免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)/分子標的治療薬(PARP阻害薬)

※1 術後放射線治療をしていない場合

チーム医療

がんの治療を受ける際に、安心して治療を受けられること、納得のいく治療を選択できることは、患者さんにとってもっとも重要なことではないでしょうか。チーム医療は担当医(乳腺外科医や腫瘍内科医)のほか、多くのスタッフの連携によって行われます。薬物療法の副作用対策にあたる内科や皮膚科、歯科口腔外科の医師、CTやMRIなどの画像診断を行う放射線診断医・放射線治療を行う放射線治療医、細胞や組織の診断を行う病理医、心や身体の辛さを軽減する緩和ケア医、精神腫瘍医などがいます。薬物やその副作用についての深い知識を持ち、難解な化学療法を患者さんやご家族にわかりやすく説明してくれるがん化学療法認定看護師や、がんの薬物療法に必要な知識、技能や臨床経験を持ったがん薬物療法認定薬剤師もいます。

それぞれの持つ専門知識を分け合い、連携して患者さんにより良い治療法を提供していきます。

自宅療養の場合は病院を退院して、在宅医療に転換するための相談を受けるソーシャルワーカー、在宅訪問診療医やケアマネジャーなどの専門家があなたをサポートします。

医療チーム